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WEB記事、「輪るピングドラム~考察」を読んでの感想1。
輪るピングドラム 考察 テーマはこれだ!!
 
「輪るピングドラム」について考察。

ピングドラム=愛≒りんごちゃんの愛。
この構図、こうすると物語がすっと入ってくる。

独善的な愛はダメですね。相手の幸せを願う大きな愛情じゃないと。
(含む自己犠牲)じゃないとカンバみたいに人、ばんばん殺しちゃいますから。

プリクリ様が、兄弟に「だからピングドラムってなんなんだよ?!!」と問い詰められたとき、
「荻野目リンゴの・・・こう・・・なにかだ!」
とプリクリ様がいいあぐねていた。

というのもピングドラムは、実態がないもの故に言葉にしづらかったわけで。
モモカは、無償の愛の象徴。
(ま、実はそれにも幾原邦彦的に裏があると思う。)

OPの歌詞のように「ぐるぐる、輪る」わけですね。

マサコ→かんば→ひまり→しょうま←りんご 

だったり。
物語の序盤から、相思相愛状態の人物は一人もいません。
悲しきかな、全員片思い。
ほのぼの感、あったかい青春感は後半一切見られないのがこの物語なのです。

生死をかけた、全員片思いです。
(ユリを殺しかける男役に、自爆街道を爆走する冠葉。
 生易しいもんじゃないっす)


その点ですね、ももかは全方位に矢印が出ているわけです。
 ↑↑↑
←ももか→
 という感じ。
 ↓↓↓


けれど登場人物の子供たちは、
本当に苦しい愛の輪廻(?)の中に入ってしまったわけではない。

過去にとらわれがちな兄弟や、ヒマリ、リンゴちゃんにも、救いはある。
それは、日常の会話、にあったりします。
「過去」からたどたどしくも作り上げてきた
「イマ」
に、あるのです。

それはダブルHの高倉家訪問だったり、
りんごちゃんという第三者と兄弟の交流に、
ちゃんと描かれていると思う。

そうして、ようやく22話では、
過去に捕われちゃった系メインキャラのうち、
タブキとユリは苦闘の結果タブキ→←ユリになり愛情を得たわけです。

ちゃんと、苦闘の結果自分たちの果実を見つけたわけです。
過去から脱却し、愛情を得て、イマを生き始める2人。
めでたし、めでたし。
・・・では、メインの子供たちは??

ちなみにストーリーでは
「強欲の人にしか実りの果実を与えない」てなセリフが
結構出てきてますよね。
愛って、果実なんですかね。
つか、実態あるんすかね。
「与える」って言う時点で、一方通行の気がしません?

「愛されるより愛したい」と某ジャニーズグループが歌っていましたが
もっと、そういう、母性愛的な、なんか、こう、、、
「君の罰も、僕の愛も、すべて分け合うんだ」的なね。
イクニチャウダー的にはもっと
共犯性があっていい気がするのですけどね。

まぁとにかく、
イクニチャウダーがしてみたかったことは、
愛に飢え、過去にとらわれ気味の子供たち
(大人になっても子供時代の思い出に固執し続けている人々)
が、
自らの力で、悪戦苦闘しながら、愛情を獲得していく、
その過程を、アニメというメルヘンでドラマチックな枠組みで
表現してみたかったのかな、と思う。

それが、大きなテーマの1つです。

ただし、単純でハッピーな愛物語ではない。
実は非情なる現実性というものも
余すところなく描かれているのが
輪るピングドラムを面白くしているポイントだとも思うわけです。

その1.愛は、ときに人を狂わせる。

分かりやすいです。
カンバがいい例ですね。
人、殺しまくりです。
「コイツ、ラストで絶対幸せにならねーな」と
読者に18話あたりからすでに思わせる程の悪行を、
なんの躊躇いもなくやってしまっています。

17話あたりでタブキからヒマリを救った頃から
彼の狂気は片鱗を見せ始めていましたが
よもやここまで悪いコになるとは。

「『俺が』、ヒマリを救う。」
しびれますねぇ。破滅エンドしか見えてきません。
大抵の悪い行いっていうのは、善い動機に端を発しているそうです。


その2.母性愛でも救いきれない存在

モモカや晶馬が、「子供ブロイラー」から
それぞれ1人だけ、救いだしてあげましたね。
でも、それ以外の子供たちって、
いったいどうなるの、っていうお話。
パリーンがっしゃんがっしゃん!

モモカの無償の愛も、
言い換えてしまえば無邪気で無垢で、
利己的な愛、なのかもね。



その3.カルトこえーー そしてそんなん生み出しちゃう世の中こえー

自爆街道爆走ジャーはカンバだけではないのです。
「企鵝の会」だって、きっとそう。
暗黙の了解でなりたつ世の中の不条理。
「もー許せない!キーーッ」
そこまではきっと多くの人が一回は感じたことあると思います。

けれどそれを行動にしてしまい、組織化し、動き始めると、
もう、止まらない。止まれない。
すごく純粋で素直で善い感情が発端なのにね。
正義も、いつの間にかカルトとして見られるようになってしまう。

阿部公房の「飢餓同盟」っていう本があります。
Amazonからパクらせていただきますと、
『小地方都市で、疎外されたよそ者たちは、革命のための秘密結社“飢餓同盟”のもとに団結し、権力への夢を地熱発電の開発に託すが、彼らの計画は町長やボスたちにすっかり横取りされてしまう。それ自体一つの巨大な病棟のような町で、渦巻き、もろくも崩壊していった彼らの野望を追いながら滑稽なまでの生の狂気を描く。』

これぞ「企鵝の会」な感じですね。
あ、あとピングドラムの英語表記は
penguindrum。
ペンギンとドラム。

公式サイトのドメインもズバリhttp://penguindrum.jp/

ペンギン=飛べない鳥類
ドラム=丸い筒状≒ぐるぐる輪るイメージ

としますと、なんだか
「あっはっは、見ろ人がゴミのようだ!!」
とラピュタから放言したムスカ大佐的な、
俯瞰的な見方が伝わってくる言葉です。

愛を求めた人間どもの遊び、とでも言いたげ。
あぁ、この物語はいろんな隠喩やらオマージュが重なり合って訳ワカラン!状態なので
全部に言及することはできない。つか知識ない。

**********************
色んな人のご意見、参考になります。
面白い。
でも、人の運命を狂わせるほどの愛情を持つ冠葉の一途な想いは、すっごく遠くで見ている分には好もしいです(ええ、自分や自分の周囲に関わらなければ)
だってきっと恋人になったら、陽毬に凄く優しいと思うよ。
そんな未来が見たかったなぁ~(よし妄想しよう)

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【2014/04/22 00:00 】 | どら猫の生態 | 有り難いご意見(0)
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