わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの
くもゐにまがふ おきつしらなみ法性寺入道 前関白太政大臣 (ほっしょうじにゅうどう)
(詞花集)
[通釈]
大海原に舟を漕ぎ出してみると、海と空とが一つになって雲と
見分けのつかない沖合の白波のおもしろさよ。
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法性寺入道で調べたら、
藤原忠通でHIT。以下抜粋。
藤原忠通(ふじわら の ただみち、
承徳元年
閏1月29日〈
1097年3月15日〉 -
長寛2年
2月19日〈
1164年3月13日〉)は、
日本の
平安時代後期から末期の
公卿。
摂政関白太政大臣・
藤原忠実の
長男。
小倉百人一首では法性寺入道前関白太政大臣。
藤原忠通(ふぢはらのただみち)
aka.前関白太政大臣法性寺入道(さきのかんぱくだいじゃうだいじんほっしゃうにふだう)
男性(1097-1164)
『詞花集』雑下・三八二
大海原に舟を漕ぎ出し、遙か彼方を眺めて見れば、
空の向こうに漂う雲と、見紛うばかりの白い波が、
海の果てには踊っているよ。
【文法・修辞法】本歌取り+枕詞
■新院 崇徳院。この歌は保延元年(1135年)4月の内裏歌合で詠まれたものと見られ、この時忠通は関白でした。■わたの原 大海原。「わた」は海。11番参議篁にも見える。■ひさかたの」は「天」「空」「月」「雲」「光」などを導く枕詞。 ■まがふ」は見まちがえる。 ■沖つ白波 「つ」は「沖の白波」の「の」と同じ格助詞で「天つ風」「中つ国」「国つ神」などと使う。
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恋歌ではなく、自然のおおらかな描写の一部をうたっていてその風情が目に浮かぶ。
ただどんな状況でその風景を目にしたかは気になるところ。
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