読書批評:「愛はね、」(樋口 美沙緒)
白泉社花丸文庫 ¥630(税込)
読書日:2011年10月13日
自分的評価:★★★★☆
あらすじ:予備校生の望は、幼なじみの俊一に片想いをしている。けれど、ノンケの俊一は決して自分を好きにならないと知っている望は、その想いを胸の奥に閉じ込めるしかなかった。他の誰かを好きになろうと、駄目な男と付き合っては泣かされる日々を繰り返す望。一方、そんな望にうんざりしながらも放ってはおけない俊一は、いつも望の世話を焼いてきた。
しかし、そんなふたりの関係が変わるときがやってくる。俊一の知人・篠原が、望と付き合いたいと言ってきたのだ。後押しする俊一に、抗えず従う望だが…。
MY感想:★4は、甘さがないので。でもこれ、この巻だけで終わっても読める作品。ノンケの幼馴染に振られる男の子っていう悲しい結末で。でもその後があって良かった、2冊同時に買って良かったです。
内容的には大好物な話です。ぐるぐるうじうじは恋愛の醍醐味。
これ望視点で俊一に対する望の純粋な愛と欲望を伴う愛に悩み苦しむお話です。
篠原の登場時は、どうなるのかと思ってましたが、やっぱり痛いやつだった。
お兄さんやお父さんとの家族関係も初めは悪く、頼りなさげな望に、大丈夫かと心配になったりしましたが、亡くなったお母さんの言葉の使いどころもうまく…後味をひく作品です。
俊一と望に関しては、レビューに書かれている皆さんの意見の大半に賛成なので割愛しますが、これはノンケとゲイの愛情の種類の違いの話で愛情のことを考えさせられた話です。愛って何だろ?お互いに愛情はあるのにすれ違う感じが切ない。なんとなく買ったんですけど、いい意味で裏切られてうれしいです。
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