読書批評:「しあわせにできる 4」(谷崎 泉)
二見シャレード文庫 ¥560(税込) 読書日:2011年08月25日 自分的評価:★★★☆☆ あらすじ:ありえない忙しさに振り回された年内の業務がやっと終了。年末年始は掃除に洗濯、そして心ゆくまで眠りたい…そんな本田のささやかな予定を180度ひっくり返す男、久遠寺。強引な手段で飛行機に乗せられ、行き着いた先は、なんとスイス。久遠寺家所有の超ゴージャス別荘で、なぜかどこにでも現れる3課連中とニューイヤーパーティで新年を迎えることに。気持ちでは久遠寺を受け入れ始めている本田だが、そんな自分を理性はいまだ認められずにいる。帰国後、元彼女・美和と偶然の再会をした本田は、久遠寺に関わる妙な頼まれごとをされてしまうが…。本田の日芳物産内定にまつわる過去編の書き下ろしも収録した、ワーカホリック・リーマン・ラブシリーズ第四弾。 MY感想:スイス旅行編と大学の同級生美和編の2つ。 この2つ目の話で、久遠寺昴の名前がやっとこ出てきました。3兄弟の長男です。 そして映、仕掛ける…次巻へ続く、とお話はテンポよく進んでます。 やっぱりこの巻もほのぼのしますね。 PR |
読書批評:「ステップファザー・ステップ」(宮部 みゆき )
講談社文庫 ¥550(税込) 読書日:2012年5月27日 自分的評価:★★☆☆☆ あらすじ:両親はそれぞれに駈け落ちして家出中の中学生の双子の兄弟・哲と直が住む家に落っこちてきたのは、なんとプロの泥棒だった。いやいやながらも、双子の父親がわりをさせられる泥棒。そして、一緒に暮らし始めた3人。まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。そんな3人を巻きこんで、次々と起こる7つの事件に、ユーモアあふれる3人の会話。宮部みゆきがお贈りする、C・ライス『スイート・ホーム殺人事件』にも匹敵する大傑作! 巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。意外な結末が待ち受ける「ステップファザー・ステップ」など、すばらしい着想と軽妙なユーモアに彩られた傑作7編。ドキドキ、ワクワク、笑って泣いて、最後はほろり。ユーモアミステリーのロングセラーにして大傑作! MY感想:宮部 みゆきさん作家買い。泥棒が落ちたのは、中学生の双子・哲と直のお家だった。両親はそれぞれに駈け落ちして家出中、そんな2人暮らしの家はそろそろお金がつきかけていた。ソフトな脅迫に屈し、双子の父親代わりをさせられる泥棒と双子、彼らに関わる不思議な事件や出来事が最後は泥棒によって謎解きされちゃう、そんなお話。〔謎解きっていっても皆を集めて目前でやるあれではない〕 双子のハモリ会話文がウザったく感じたが、軽妙でユーモア多めのミステリー込で、ちゃんと腑に落ちない点は回収されてる…筈。 柳瀬じいちゃんが良かった。荒川さんのイラストも〇。 |
読書批評:「For You 」(五十嵐 貴久)
祥伝社文庫 ¥780(税込) 読書日:2012年6月9日 自分的評価:★★★☆☆ あらすじ:最愛の叔母が急逝した。映画雑誌の編集者である朝美は、遺品整理で訪れた叔母の部屋で古びた日記帳を見つける。そこには80年代、高校生だった叔母の青春が描かれていた。読み進めていくうちに、朝美は叔母のある男の子への想いを知る。独身を貫き、「恋ならしている」そう言い続けた叔母の生涯を懸けた恋とは。涙なしには読めない、感動の純愛ミステリー。 MY感想:以前に読んだ五十嵐さんの『年下の男の子』が良かったので他のも見ようと思い購入。 叔母の急逝により映画雑誌編集者の朝美は、遺品整理に訪れ古い日記帳を見つけ読む。そこには80年代、高校生だった叔母の青春あり、朝美はある男の子へ叔母の想いを知る。独身を貫き「恋ならしている」と言い続けた叔母の生涯を懸けた恋、それを背景にした朝美とバツイチカメラマンの彼氏や兄弟のお話です。 ミステリーと粗筋にあるがミステリーではない。最初がとりとめのない印象だが終盤にかけてぐっと詰まっていくのは良かった。叔母と彼の若い恋愛は焦れ焦れして微笑ましかった。叔母と彼の亡後話なので、読後感は爽快ではないが悪くはない。それにしても一番良い年代である20代の徴兵制は、どうかなと疑問に思っちゃうよね。勿論その頃が一番体が動くんだろうけどさ。2人の気持ちを思うとちょっぴりせつないね。 |